カテゴリ: 節税

 ふるさと納税は、自分が住んでいる自治体に納付する税金の一部を、別の自治体に納付することができる制度です。税制上は寄付金の扱いになりますので、基本的に確定申告を行う必要があります。寄付金控除の適用を受けることにより、納税額からふるさと納税をした金額が差し引かれることになります。ただし、最低で2000円分は自己負担となります。

 本来は寄付なのですが、多くの自治体が返礼品を送るようになり、今では多彩な返礼品が登場してニュースにもなっています。どの自治体がどのような返礼品を用意しているかは、「ふるさとチョイス」などいろいろなWebサイトで確認することができます。ふるさと納税自体もそういったwebサイトで手軽に行えるようになりました。

 寄付金控除を受けることができる金額には制限がありますので、ふるさと納税が多いと納税額から差し引ききれない場合が出てきます。ふるさと納税のほぼ全額が税金から差し引かれる金額の限度を計算するのは、多少複雑になります。来年に納める住民税の金額が今年払った分と同じくらいになりそうなら、今年払った住民税の金額のおおよそ2割程度をふるさと納税の目安にするといいでしょう。

 昨年度からふるさと納税のワンストップ特例制度が導入されました。サラリーマンの場合は、5つの自治体までのふるさと納税は自分で確定申告を行わなくてもふるさと納税の適用を受けられるようになりました。ただし、特例申請書を寄付した自治体に提出する必要があります。

 調査によれば、ふるさと納税を行ったことがあるのは10人に1人程度だそうです。せっかくの制度なのですから、まだ行ったことのないお方は今年は挑戦してみてはいかがでしょうか。自分が住んでいる自治体にふるさと納税をすることもできます。

 平成27年度から、相続税が増税になります。

 相続財産が基礎控除額を超える場合、相続税がかかります。基礎控除額は、平成26年までは5000万円+1000万円×法定相続人の数でしたが、平成27年からは3000万円+600万円×法定相続人の数になります。法定相続人が3人の場合、今までは相続財産が8000万円を超えないと相続税はかかりませんでしたが、平成27年からは4800万円を超えるとかかります。

 相続税の節税の基本は、生前贈与です。1年間に110万円以内の贈与は贈与税がかかりません。110万円を超えても、平成27年からは子や孫への贈与は一般の贈与よりも贈与税率が下がります。ただし、亡くなる3年以内に贈与された財産は、110万円以内であっても相続税の計算の対象となります。実質的に贈与が成立していないと、否認される場合もあります。

 子供や孫に住宅取得資金や教育資金の一括贈与をした場合、一定の要件を満たせば贈与税の非課税となります。婚姻期間が20年以上の配偶者に住宅や住宅取得資金を贈与した場合、一定の要件を満たせば基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除されます。

 相続人が生命保険金を取得する場合、500万円×法定相続人の数が非課税となります。従って、生命保険に何も加入していない場合は、一時払いの生命保険金に加入することで、預貯金を相続税の非課税となる生命保険に代えることもできますし、納税や代償分割の原資にもなります。

 一般的に不動産の価格よりも相続税評価額が低いため、不動産を取得した場合は節税になります。さらに貸家や貸アパートの場合は、評価額が自家用の7-8割程度になります。

 しかし、これらの相続税の税金対策よりも、相続対策を優先すべきです。現金預金は分けることができますが、不動産は分けることができませんし、共有相続は後々のトラブルの元です。節税になっても不便で換金しにくい不動産は相続人が扱いに困り、安易な節税で「争族」を引き起こすこともあります。

 最近は「終活」で遺言書を書くことを勧める風潮もありますが、生前贈与による特別受益や介護等による資産形成・維持の寄与分、相続人の遺留分などの問題もあり、遺言書と相続人の受け止め方が大きく異なる場合もあります。安易な遺言書もかえってトラブルの元になりますので、相続人や専門家との十分な話し合いが望ましいでしょう。

 秋は税務調査が多くなります。税務調査で重要な論点として、重加算税があります。納付した税額が本来納付すべき税額よりも少ない場合等において、隠ぺい又は仮装(いわゆる脱税)があったと認められたときは、重加算税が課されます。

 重加算税が課された場合は、納付した税額と本来納付すべき税額の差額の35%または40%の金額を納付しなければなりません。延滞税の特例計算も適用されません。また、重加算税が課された記録が税務署に残り、その後再び税務調査に入られやすくなるなどのデメリットがあります。

 重加算税が課されるのは、隠ぺい又は仮装があった場合のみです。単なるミスでは重加算税は課されません。国税不服審判所の公表裁決事例や事務運営指針によると、例えば次のような場合は隠ぺい又は仮装には該当せず、重加算税は課されません。

①棚卸資産が過少に計上されたが、翌期にその棚卸分の売上が計上され、資料の隠匿や改ざんがない②売上げの入金を売掛金の過入金と経理し、翌期に売上として経理した③売上げ入金を仮受金のまま計上し売上に振替処理しなかった④当期に計上すべき売上げ等の収入を翌期に計上した(期ズレ)⑤翌期に計上すべき経費を当期に計上し翌期に実際に支払った(期ズレ)⑥交際費や寄附金になる費用をほかの勘定科目に計上した⑦役員や経理担当者などの職制上の重要な地位に従事したことがない使用人が不正を行い、役員や経理担当者がその不正を発見できなかった

 隠ぺい又は仮装であると評価すべき行為の存在について、税務署側が主張・立証をしなければ、重加算税を課すことはできません。

 非上場株式を譲渡や贈与・相続する場合、税務上は株式の時価が問題となります。時価よりも安い金額で譲渡した場合は、時価との差額が贈与となり贈与税が課せられます。市場により株価が決まる上場企業の株式と異なり、税務上の非上場株式の時価は、相続税評価額により算定します。

 非上場株式の場合、相続税評価額は類似業種比準方式と純資産価額方式の2つの方式を基に算定します。

 類似業種比準方式は、類似業種の上場企業の株価を基に相続税評価額を求める方法です。非上場企業であっても、利益や配当、純資産価額が上場企業と同じくらいの業績であれば、株価も同じ程度だろうという考え方です。上場企業と比較して、業績が良ければその割合分だけ株価を高くし、業績が悪ければその割合分だけ株価を低くして算定します。

 純資産価額方式は、会社を精算して資産負債を処分し、全て現金預金にかえた場合にいくらになるのかを基に相続税評価額を求める方法です。実際には会社の資産負債を相続税評価額で計算し直すことになります。土地や建物の評価額は原則的に固定資産税評価額や路線価によって決まりますが、3年以内に取得した土地や建物は主に帳簿価額で計算します。財産性のない前払費用や繰延資産などは計上されません。

 最終的な評価額は、非上場企業の会社規模によっても計算方法が変わります。非上場企業を純資産価額や従業員数、売上高により大会社・中会社・小会社に分類します。

 大会社は上場企業並みの会社で、類似業種比準価額が相続税評価額となります。小会社は個人事業主並みの会社で、類似業種比準価額の半分と純資産価額の半分を足した金額が相続税評価額となります。中会社はその中間で、類似業種比準価額と純資産価額を一定の割合で加重平均した金額が相続税評価額となります。ただし、これらの評価額よりも純資産価額のほうが小さい場合は、純資産価額が相続税評価額となります。

 資産の大半が土地や株式の会社や開業したばかりの会社など、特殊な会社は主に純資産価額方式により算定します。

 以上が原則ですが、非上場株式を取得する人の持ち株割合が僅少で経営にも関与していない等の場合は、特例で配当の額から株価を算定します。

 個人が土地建物を売って譲渡益が出た場合に、一定の要件を満たすときは、譲渡益から一定の金額の特別控除の適用を受けて、所得税及び住民税等を減らすことができます。

 特別控除を受けられる主な場合と金額は次の通りです。

①収用など公共事業のために土地建物を売った場合…5,000万円
②居住用の土地建物を売った場合…3,000万円
③特定土地区画整理事業などのために土地を売った場合…2,000万円
④特定住宅地造成事業などのために土地を売った場合…1,500万円
⑤農地保有の合理化などのために土地を売った場合…800万円又は1500万円

 複数該当する場合でも、特別控除額は年間で合計5,000万円が限度となります。

 これらの特別控除は、土地建物を譲渡した日の属する年分の確定申告で適用を受けられます。この譲渡した日は、原則として売買契約に基づいて土地建物を買主等に引き渡した日をいいますが、売買契約の締結日に譲渡があったものとして確定申告することもできます。

 収用等の特別控除は、買取り等の申出があった日から6か月以内に契約をした場合に適用を受けられます。しかし、同じ公共事業で2年以上にまたがって資産を売るときは最初の年だけしか受けられません。収用等により取得する補償金のうち、対価補償金は特別控除の対象になります。収益補償金・経費補償金・移転補償金であっても、一定の要件を満たす場合は特別控除の対象になります。

 居住用の家屋やその敷地の時を売った場合は、3000万円の特別控除の適用を受けられます。家屋とその敷地の所有者が異なる場合、家屋の所有者のみが特別控除を受けられますが、一定の要件を満たしたときは、その敷地の所有者も一定の金額の特別控除の適用を受けられます。なお、この特別控除を受けた場合、その年や翌年・翌々年に住宅を取得しても住宅ローン控除は受けられませんのでご注意ください。

 売った土地や建物が古くて取得価額が不明なときは、譲渡対価の額の5%を取得価額とすることができます。建物の場合、建物の標準的な建築価額表により延べ床面積を基礎として取得価額を算定することもできます。土地の場合、日本不動産研究所が公表する市街地価格指数により譲渡対価の額を基礎として取得価額を算定することもできます。

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