カテゴリ: 改正税法

導入されて1年以上経過したマイナンバーですが、未だに十分に認知されていないようです。テレビや新聞でも、不正確な報道が目立ちます。中でも問題なのは、「マイナンバー」と「マイナンバーカード」を混同している場合があることです。主な違いは、次の通りです。

■マイナンバー
・日本国内の全住民に付けられている12桁の番号
・法律に定められた税・社会保障・災害対策のみで使うことができる
・番号だけで本人確認はできない

■マイナンバーカード
・自分で申請することで受け取るICチップ付きのカード
・ICチップを使って電子的に公的な本人確認とデータ記録ができる
・本人確認とデータ記録は民間業者も使うことができる
・本人確認とデータ記録ではマイナンバーは使わない

「マイナンバーを民間で活用」といった形で報道されている場合のほとんどは、「マイナンバーカードの電子的な本人確認とデータ記録を活用」の間違いです。

今までは本人確認のために、手間も時間もかかる公的書類を手に入れなければなりませんでした。マイナンバーカードの電子的な本人確認機能により、その負担を大幅に減らして効率化ができるので、この機能自体はとても素晴らしいことです。

誤った認識により、危険なイメージが広まるのはとても残念です。マイナンバーカードにはマイナンバーを記載せずに、「電子的本人確認カード」という形にすべきだったのではないかと思います。

参考リンク:内閣府 マイナンバーとマイナンバーカードの違いについて

法人税の申告を行う場合、市町村や都道府県へは法人住民税の均等割として、赤字でも最低限の税金を納めなければなりません。この均等割は資本金等の額をもとに決まります。

深川市で従業員が50人以下の会社の場合、資本金等の額が1,000万以下だと均等割は市に60,000円、道に20,000円の計80,000円になります。資本金等の額が1,000万円を越え1億円以下になると、均等割は市に156,000円、道に50,000円の計206,000円になります。

例えば資本金が1,100万円だった場合は均等割は206,000円ですが、減資を行って資本金を900万円にしたら均等割は80,000円になり、126,000円の節税になります。

減資の方法には、資本金などを株主に払い戻す有償減資と、資本金などの払い戻しはせずに欠損のてん補などに充てる無償減資の2種類があります。有償減資の場合はこの節税は以前から使えましたが、無償減資の場合は認められていませんでした。

しかし、平成27年度の税制改正により、一定の条件を満たす無償減資を行った場合もこの節税が認められるようになりました。具体的には、繰越利益剰余金がマイナスになっている場合、資本金などを取り崩して欠損てん補にあてるときの無償減資などが認められます。減資を行うには、債権者保護手続きや官報への公告、登記などが必要で、2ヶ月以上かかることになります。

この節税の規定の適用を受けるには、一定の会計処理や法人税申告書等への記載が必要になります。また、市や道に議事録や官報の写し、株主資本等変動計算書、法人税申告書の一部の提出も必要になります。

昨年12月に、平成29年度の税制大綱が公開されました。主なものをご紹介します。

・配偶者に給与収入がある場合の、いわゆる103万円の壁がなくなりました。配偶者の給与収入が150万円までの場合、38万円の所得控除を受けられます。具体的には、配偶者控除は今まで通りですが、配偶者特別控除が改正されて適用の範囲が広がりました。

・所得拡大促進税制が拡充されました。今までは、一定の年度と比較して増加した給与額の10%が税額控除の対象となりましたが、改正後はこれに前年度と比較して増加した給与額も加わり、合計で22%までが税額控除の対象となります。

・上場していない会社の株価の計算方法が変わります。今までは会社の利益:純資産:配当が3:1:1の割合で株価の計算に影響していましたが、これが1:1:1に変更になり、利益の影響が小さくなります。また上場していない会社の株価も、同じ業種の上場会社の株価の影響を受けます。この計算に使われる上場会社の株価の選択に、2年間平均が追加されました。

・積立NISA制度が創設されます。現行のNISAは、元本が年間120万円までの株式などへの投資が、最長5年間非課税となる制度です。今回、元本が年間40万円までの長期投資信託への投資が、最長20年間非課税となる制度も創設されました。ただし、どちらかの制度を選択することになります。

・国税犯則取締法が68年ぶりに改正されます。いわゆるマルサは、今までは夜間捜査はできず、パソコンやインターネット上のデータに対しての捜査は困難でした。これが今回の改正で夜間捜査も可能になり、パソコンやインターネット上のデータに対しても差し押さえや協力要請ができるようになります。

 今年から変更になった税制をいくつかご紹介します。

【平成28年1月から】
・銀行の預金利息から差し引かれる税金は、昨年までは国税15.315%及び地方税5%でしたが、今年から地方税5%分が廃止され国税15.315%のみになりました。

・子供向けのNISA制度であるジュニアNISA制度が開始しました。未成年が口座を開設でき、5年間の年間80万円までの投資元本の運用益が非課税になります。ただし、18歳になるまで払い出しはできません。

・給与所得者が今年から支払いを受けるべき通勤手当又は通勤用定期乗車券について、非課税限度額が今までの10万円から15万円に引き上げられました。

・以前は公社債の譲渡益・償還差益は非課税で株式等との損益通算や譲渡損失の繰越もできず、特定口座に入れることもできませんでした。今年からは公社債は株式等と扱いが同じになり、譲渡益・償還差益は課税されるようになります。株式等との損益通算や譲渡損失の繰越が可能になり、特定口座に入れることもできるようになりました。

【平成28年4月から】
・平成28年4月1日以後に開始する事業年度からは、法人税率が現行の23.9%から23.4%に引き下げになりました。資本金が1億円以下の中小法人の場合、年800万円以下の部分の税率は15%になります。

・平成28年4月1日以後に取得した建物付属設備・構築物の減価償却方法については、定率法を廃止して定額法のみになりました。

・法人版のふるさと納税制度が創設されました。平成28年4月20日以後に終了する事業年度から適用になります。一定の要件に該当する寄付を行った場合、法人事業税及び法人住民税から合計で寄付額の30%までが控除されます。ただし、法人の本社がある地方自治体に対しての寄付には適用がありません。

・前回ご紹介した、空き家を相続して売却した場合における特別控除が創設されました。

・多世帯同居改修工事等に係る特例が創設されました。祖父母・父母・子の三世代が同居しやすくするためにキッチンや浴室、トイレ、玄関などの一定の要件を満たす改修工事を行った場合、一定の金額が所得税額から控除されます。

 税制ではありませんが、小規模企業共済制度が平成28年4月1日から改正されました。一定の場合の共済金受取金額のアップ、共済金を受け取れる遺族の範囲の拡大、申し込み時や増額・減額時の手続きが簡易になるといった点が変わりました。

 近年空き家が放置されて、周囲の地域住民の防犯や防災、衛生、景観上問題になることが多くなりました。そこで、相続により空き家を取得した場合は、空き家やその土地を売却したときにかかる譲渡税が軽減されることになりました。

 先祖代々の土地の場合は土地の取得費がわからないことが多く、そのときは売却金額の5%が取得費になります。売却金額が500万円で譲渡経費がない場合、売却代金500万円-取得費25万円(500万円の5%)=475万円が譲渡所得になり、このときの所得税と住民税をあわせた税率は約20%なので約96万円の譲渡税がかかります。

 しかし、次の要件を満たす空き家やその空き家の土地を譲渡した場合、譲渡所得から3000万円を控除することができるようになり、前述の例だと譲渡税が無税になります。

①相続人(包括受遺者を含む)が相続又は遺贈により取得すること
②昭和58年5月31日以前に建築された戸建の家屋であること(マンションなど区分所有建物は除く)
③亡くなった人が一人暮らしをしていた自宅であること
④亡くなった日の3年後の12月31日までに売ること
⑤亡くなって空き家となった建物に他の人が住んだり、他の人に貸したり、事業に使っていないこと
⑥建物を取り壊して更地にして売るか、耐震リフォームをしてから売ること
⑦売却金額が1億円以下であること
⑧市役所など地方自治体から要件を満たす証明書の交付を受け、確定申告書に添付すること

 この規定は、今年の4月1日から平成31年12月31日までの譲渡に適用になります。なお、この規定の適用を受ける場合、相続税額の取得費加算の規定は使えなくなります。

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