近年空き家が放置されて、周囲の地域住民の防犯や防災、衛生、景観上問題になることが多くなりました。そこで、相続により空き家を取得した場合は、空き家やその土地を売却したときにかかる譲渡税が軽減されることになりました。

 先祖代々の土地の場合は土地の取得費がわからないことが多く、そのときは売却金額の5%が取得費になります。売却金額が500万円で譲渡経費がない場合、売却代金500万円-取得費25万円(500万円の5%)=475万円が譲渡所得になり、このときの所得税と住民税をあわせた税率は約20%なので約96万円の譲渡税がかかります。

 しかし、次の要件を満たす空き家やその空き家の土地を譲渡した場合、譲渡所得から3000万円を控除することができるようになり、前述の例だと譲渡税が無税になります。

①相続人(包括受遺者を含む)が相続又は遺贈により取得すること
②昭和58年5月31日以前に建築された戸建の家屋であること(マンションなど区分所有建物は除く)
③亡くなった人が一人暮らしをしていた自宅であること
④亡くなった日の3年後の12月31日までに売ること
⑤亡くなって空き家となった建物に他の人が住んだり、他の人に貸したり、事業に使っていないこと
⑥建物を取り壊して更地にして売るか、耐震リフォームをしてから売ること
⑦売却金額が1億円以下であること
⑧市役所など地方自治体から要件を満たす証明書の交付を受け、確定申告書に添付すること

 この規定は、今年の4月1日から平成31年12月31日までの譲渡に適用になります。なお、この規定の適用を受ける場合、相続税額の取得費加算の規定は使えなくなります。