2014年11月

 平成27年度から、相続税が増税になります。

 相続財産が基礎控除額を超える場合、相続税がかかります。基礎控除額は、平成26年までは5000万円+1000万円×法定相続人の数でしたが、平成27年からは3000万円+600万円×法定相続人の数になります。法定相続人が3人の場合、今までは相続財産が8000万円を超えないと相続税はかかりませんでしたが、平成27年からは4800万円を超えるとかかります。

 相続税の節税の基本は、生前贈与です。1年間に110万円以内の贈与は贈与税がかかりません。110万円を超えても、平成27年からは子や孫への贈与は一般の贈与よりも贈与税率が下がります。ただし、亡くなる3年以内に贈与された財産は、110万円以内であっても相続税の計算の対象となります。実質的に贈与が成立していないと、否認される場合もあります。

 子供や孫に住宅取得資金や教育資金の一括贈与をした場合、一定の要件を満たせば贈与税の非課税となります。婚姻期間が20年以上の配偶者に住宅や住宅取得資金を贈与した場合、一定の要件を満たせば基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除されます。

 相続人が生命保険金を取得する場合、500万円×法定相続人の数が非課税となります。従って、生命保険に何も加入していない場合は、一時払いの生命保険金に加入することで、預貯金を相続税の非課税となる生命保険に代えることもできますし、納税や代償分割の原資にもなります。

 一般的に不動産の価格よりも相続税評価額が低いため、不動産を取得した場合は節税になります。さらに貸家や貸アパートの場合は、評価額が自家用の7-8割程度になります。

 しかし、これらの相続税の税金対策よりも、相続対策を優先すべきです。現金預金は分けることができますが、不動産は分けることができませんし、共有相続は後々のトラブルの元です。節税になっても不便で換金しにくい不動産は相続人が扱いに困り、安易な節税で「争族」を引き起こすこともあります。

 最近は「終活」で遺言書を書くことを勧める風潮もありますが、生前贈与による特別受益や介護等による資産形成・維持の寄与分、相続人の遺留分などの問題もあり、遺言書と相続人の受け止め方が大きく異なる場合もあります。安易な遺言書もかえってトラブルの元になりますので、相続人や専門家との十分な話し合いが望ましいでしょう。

 通勤している人に支給される通勤手当は、一定の金額までは所得税の非課税となります。この通勤手当のうち、マイカーなどで通勤している人に支給される通勤手当の非課税限度額が改正され、上がることになりました。

 交通機関などを利用している人に支給される通勤手当は、1ヵ月あたりの合理的な運賃等の額が非課税金額となります(10万円限度)。

 自動車や自転車などを使用している人に支給される通勤手当は、通勤距離に応じて非課税金額が変わります。

・片道2㎞未満     …非課税なし
・片道2㎞以上、10㎞未満…改正前 4,100円 改正後 4,200円
・片道10㎞以上、15㎞未満…改正前 6,500円 改正後 7,100円
・片道15㎞以上、25㎞未満…改正前11,300円 改正後12,900円
・片道25㎞以上、35㎞未満…改正前16,100円 改正後18,700円
・片道35㎞以上、45㎞未満…改正前20,900円 改正後24,400円
・片道45㎞以上、55㎞未満…改正前24,500円 改正後28,000円
・片道55㎞以上     …改正前24,500円 改正後31,600円

 この非課税限度額の改正は、平成26年4月1日以降に支払われるべき通勤手当に適用となります。

 従って、平成26年4月1日以降に改正前の非課税限度額を超えて通勤手当を支給され、通勤手当の一部が課税の対象となり源泉徴収されている人の場合、年末調整や確定申告により改正後の非課税限度額に計算しなおして税金を精算する必要があります。

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