2014年10月

 平成26年度の税制改正要望が先日各省庁から公表されました。これらの要望を参考にして、12月中に税制改正大綱が発表されます。要望の主なものは、次の通りとなっています。

・NISAの拡充・利便性向上。未成年を対象とするジュニアNISAの創設、年間投資上限を100万円から120万円に引き上げ、マイナンバーを用いて口座開設等を迅速化など。

・生命保険料控除制度の拡充。所得税法上の生命・介護医療・個人年金の各保険料控除の最高限度額を現行の4万円から5万円にするとともに、生命保険料控除の合計限度額を15万円に。

・教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置の恒久化及び教育費・受贈者の範囲の拡大。教育費に学割定期券などの交通費等を含める、対象となる受贈者の範囲を贈与者の直系卑属以外も認める等。

・子・孫の結婚・妊娠・出産・育児を支援するための贈与に係る贈与税の非課税措置の創設。結婚、妊娠、出産、育児に係る信託による子・孫への贈与や少子化対策事業を行う公益法人等への信託財産の贈与の贈与税の非課税。

・女性の活躍推進に関する法律の制定や子育て支援に係る税制上の措置の検討。

・個人事業者の事業用資産に係る事業承継時の贈与税・相続税の負担軽減措置の創設。個人事業者の事業用資産に係る相続税・贈与税について、経済産業大臣の確認を受けた個人は一定の要件達成を条件として、贈与者死亡時の相続税の負担軽減を図る。

・金融商品に係る損益通算や損失の繰越控除の範囲の拡大。商品先物取引の決済差損益や商品ファンドの収益分配金・償還損益等について、上場株式等の譲渡損益等との損益通算の対象に含める。上場株式等と先物取引について認められている損失の3年間繰越控除について、他の金融商品にも拡大していく。

・個別評価金銭債権に係る貸倒引当金の損金算入割合の引上げ。民事再生・破産等の法的手続に入った場合の個別評価金銭債は最終的にはほとんどが回収不能となるため、実態に即した損金算入割合へ引き上げる。

・税制全体のグリーン化の推進。

・国民の健康の観点からたばこの消費を抑制することを目的とした、たばこ税の税率の引上げ等。

 平成27年から、マイナンバー制度が導入されます。マイナンバー制度は①公平・公正な社会の実現②国民の利便性の向上③行政の効率化を目的としています。

 ①では、所得や行政サービスの受給状況を把握し、負担回避や不正給付の防止、きめ細かな支援を行います。②では、添付書類の削減などの行政手続の簡素化、行政機関にある個人情報の確認やサービス通知が行われます。③では、行政機関や地方公共団体などの入力等の労力削減、業務間連携の促進と無駄の削減が行われます。

 平成27年10月から、住民票を有する国民一人一人に12桁のマイナンバーが通知されます。マイナンバーの通知は市区町村から通知カードを送ることによって行われ、このマイナンバーは基本的に一生変更されません。

 平成28年1月から、マイナンバーは社会保障・税・災害対策の法律で定められた行政手続きで利用されます。社会保障では年金・雇用保険、医療保険、児童手当、生活保護などで使われます。税では、確定申告書、届出書、法定調書などに使われます。災害対策では、被災者台帳の作成事務などに使われます。

 民間企業でも、法律で定められた範囲に限り、マイナンバーを取り扱います。民間企業は、従業員の保険や年金の加入手続を行ったり、給料から源泉徴収して税金を納めたりしています。また、銀行や証券会社等の金融機関でも、利金・配当金・保険金等の税務処理を行います。

 これらの手続を行うためにマイナンバーが必要となるため、勤務先企業や金融機関に本人や家族のマイナンバーを提示する必要があります。民間企業が外部の人に講演や原稿を依頼し報酬を支払う場合には源泉徴収をしなければならないため、マイナンバーを提示する必要があります。また、源泉徴収票(A6からA5へ変更)や支払調書にもマイナンバーが記載されます。

 他人のマイナンバーを不正に入手したり、他人のマイナンバーを取り扱っている人がマイナンバーや個人情報を他人に不当に提供したりすると、処罰の対象になります。マイナンバーに関する個人情報の記録を確認するため、平成29年1月から「情報提供等記録開示システム」が稼働する予定です。

 通知カードのほか、平成28年1月以降は個人番号カードの交付を受けることができます。個人番号カードは身分証明書として利用できるほか、ICチップに搭載された電子証明書を用いたサービスに利用できます。

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