2013年11月

 青色申告者である個人または中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を取得して事業の用に供した場合には、その取得価額に相当する金額の全額を経費にできる「少額減価償却資産」の特例という制度があります。

 ただし、年の合計額300万円までが限度となっています。28万円の資産を11個購入して適用を受ける場合、28万円×10個=280万円が対象となり、残り1個の28万円分は通常通り減価償却を行うことになります。

 金額の判定は、消費税込み経理をしている場合は税込みで、消費税抜き経理をしている場合は税抜きで行います。税抜き298,00円の資産を購入した場合、税抜き経理をしているときは適用を受けられますが、税込み経理をしているときは、298,000円×105%=312,900円で30万円以上となり適用を受けられません。

 なお、取得価額が10万円未満の場合は、全額経費にできる「少額の減価償却資産」の特例という制度もあります。

 また、取得価額が20万円未満の減価償却資産を取得した場合は、その20万円未満の減価償却資産をまとめて一括して、3年間で均等に償却して経費にする「一括償却資産」の特例という制度もあります。こちらは限度額はありません。

 取得価額が10万円未満の「少額の減価償却資産」と20万円未満の「一括償却資産」の場合は、市町村税である償却資産税の対象とはなりませんが、30万円未満の「少額減価償却資産」の場合は償却資産税の対象となりますのでご注意ください。

 以前は、資本金1億円以下の中小法人の交際費は、年600万円までのうち90%分までしか経費として認められず、10%分は税金がかかりました。

 しかし、平成25年4月1日以後に開始する事業年度からは、中小法人の交際費は、年800万円までの全額が経費として認められることになりました。

 なお、交際費に該当する場合であっても、飲食などの費用で1人あたり5,000円以下の場合、一定の要件を満たせば交際費から除かれます。ただし、社内飲食費については適用がありません。

 また、個人の場合の交際費の金額については、特に制限はありません。

 消費税等(消費税及び地方消費税)の前課税期間(個人の場合は前年、法人の場合は前事業年度)の年税額が60万円を超える事業者は、当課税期間(個人の場合は当年、法人の場合は当事業年度)に消費税の中間申告をし、一定の金額を納付しなければなりません。年税額が60万円超の場合は1回、500万円超の場合は3回、6000万円超の場合は11回の中間申告と納付が必要になります。

 この中間申告の納付額は、前課税期間の年税額で決まります。基本的に、60万円超の場合は確定した消費税等の年税額の1/2、500万円超の場合は1/4、6000万円超の場合は1/12になります。

 これは、当課税期間も前課税期間と同じくらいの消費税等の納付が見込まれるなら、当課税期間の一定時点までの消費税等の額を前課税期間の年税額から概算で計算して、預り金である消費税を早めに納付してもらおうという考え方に基きます。

 しかし、当課税期間の売上が減少し、または仕入れや経費が増えて前課税期間ほど消費税等を納付する見込みがない場合には、中間申告での消費税等の納付の負担が過大になることがあります。

 このような場合は、「仮決算による中間申告」を行うことにより、納税額を減らすことができます。中間申告の対象となる期間、年1回であれば当課税期間の上半期6か月の期間を1つの課税期間とみなして仮決算を行い、その期間中に実際に納付すべき税額をもって中間申告により納付すべき税額とすることができます。

 このとき、計算した税額がマイナスとなっても還付を受けることはできません。また、仮決算を行う場合にも、簡易課税制度の適用があります。

 なお、消費税等の前課税期間の年税額が60万円以下である事業者は中間申告を行う必要がありませんが、自主的に中間申告を行うことができる制度が創設されました。

 小規模企業共済制度という制度があります。小規模企業の個人事業主や会社等の役員が加入できる、1,000円から70,000円までの範囲で定めた掛金を毎月納付して、将来退職したときに退職金として受け取れる制度です。

 小規模企業共済による運用利率自体は1.0%程度ですが、この掛金は所得税法上、小規模企業共済等掛金控除として全額所得控除が可能なため、その分所得税及び住民税が軽減されます。

 現在、所得税の最低税率は5%、住民税の税率は一律10%なので、掛金として納付した金額の15%以上が節税=運用利回りになります。もちろん、退職金として受け取ったときに所得税がかかってくるのでその分は差し引かなければなりませんが、税法上とても有利な退職所得となります。

 加入資格は、常時使用する従業員の数が20人以下(商業・サービス業では5人以下)の個人事業主または法人の役員です。個人事業主の場合、以前は本人しか加入できませんでしたが、現在は共同経営者の親族なども2名まで加入ができるようになりました。

 なお、加入して1年以内に解約した場合は、掛金は全額が掛け捨てになりますのでご注意ください。加入して20年以内の自己都合での任意解約の場合、解約額は納付した掛金の合計額を下回ることになるので、納付が厳しいときは掛金を減額して月1,000円だけでも引き続き納付するようにすべきでしょう。また、納付した掛金の合計額の範囲内で、事業資金等を借り入れることもできます。

 事業者でなくサラリーマンの場合も、同様な制度があります。それが確定拠出年金制度、いわゆる個人版401kという制度です。確定拠出年金として納付した場合、同様に小規模企業共済等掛金控除の適用を受けられます。

 これは企業型と個人型があり、納付可能な月額は勤務先の年金制度によって23,000円から68,000円まで異なります。納付した掛金を自分自身で運用することになり、金融機関によって手数料や取扱商品に大きな差があります。

 元本保証を希望の場合は定期預金で運用することができます。元本保証ではなくなりますが、投資信託を使って運用することでより高い利回りを得られる可能性もあります。

 ただし、確定拠出年金制度の場合、60歳になるまでは受給や払い戻しを一切受けられないのでご注意ください。

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