2013年10月

 平成24年度からは、法人は法人税の10%分の復興特別法人税が課されることになりました。納付すべき法人税額がある法人は、復興特別法人税額も生じるため、法人税の申告書のほかに復興特別法人税の申告書も提出しなければなりません。

 しかし、赤字法人の場合は、法人税額が0のために復興特別法人税額も0となって復興特別法人税が課されないため、復興特別法人税の申告書を提出する義務はありません。

 この場合であっても、配当等からの復興特別所得税の源泉徴収税額につき還付を受けるには、復興特別法人税の申告書を提出する必要があります。

 法人税額のない赤字法人が、その後の税務調査等で法人税額が発生する場合は、同時に復興特別法人税も新たに生じます。

 当初に復興特別法人税の申告書を提出していなかった場合は、新たに生じた復興特別法人税については期限後申告書を提出することになり、同時に15%分の無申告加算税が課されます。

 赤字で税額が0でも復興特別法人税の申告書を提出していた場合は、新たに生じた復興特別法人税については修正申告書を提出することになり、無申告加算税ではなく10%分の過少申告加算税が課されることになります。

 従って、赤字法人であっても、復興特別法人税の申告書は必ず提出するようにしましょう。

 平成26年4月1日からの消費税増税を前にして、平成25年10月1日から「消費税転嫁対策特別措置法」が施行されました。

 この法律は、「消費税アップ分を、皆できちんと、わかりやすく価格に上乗せしましょう。違反者には罰則があります。」という内容です。この法律で禁止されているのは、「消費税の転嫁拒否等の行為」と「消費税の転嫁を阻害する表示」です。

 禁止されている行為は、一定の法人事業者等(買い手)を対象に、平成26年4月1日以降に販売される商品等につき、
①消費税アップ分を上乗せで契約した後の減額
 (リベート増額や端数切捨て等を含む)
②消費税アップ分を上乗せした額より安い買いたたき
③消費税アップ分の上乗せを受け入れる代わりに
 他の商品等の購入を要請(協賛金や従業員派遣等を含む)
④税抜価格での交渉拒否
⑤①~④を公正取引委員会等に報告したことに対する報復
です。

 禁止されている表示は、平成26年4月1日以降に販売される商品等につき、
①消費税アップ分を転嫁していない旨の表示
②消費税アップ分の値引きの表示
③消費税アップ分のポイント等の利益付与の表示
です。

 違反行為がある場合、公正取引委員会等が勧告を行い、その旨を公表します。逆に認められるのが、税抜価格での表示と消費税の転嫁・表示カルテルです。

 認められる税抜価格での表示は、「10,000円(税抜)」「10,000円(税抜価格)」「10,000円(本体価格)」「10,000円(税別)」「10,000円+税」といった、明瞭に表示されている形式です。または、個々の値札等には「10,000円」と税抜価格のみを表示し、店内の消費者が商品等を選択する際に目に付きやすい場所に明瞭に「税抜価格で表示している」旨の掲示を行う形式です。レジ周辺だけ、通信販売なら申込用紙だけ、インターネットなら決済画面だけの掲示は不適切です。もちろん、小さくて見にくい表示・掲示も不適切です。

 また、消費税の転嫁や表示について、事業者が共同行為(カルテル)を行っても、独占禁止法の適用除外となります。これは事前の届け出が必要になります。

 家屋が雪の重みで倒壊するのを防ぐために行う屋根の雪下ろし費用が年間で5万円を超えた場合、所得税と住民税が軽減される雑損控除という制度があります。屋根の雪下ろしの場合は、5万円を超えた金額が雑損控除の金額となります。

 現在、所得税率は最低5%、住民税率は一律10%なので、合わせて雑損控除の金額の最低15%分が減税になります。屋根の雪下ろしに6万円かかった場合、(6万円-5万円)×15%=1,500円なので、最低で1,500円減税になります。

 ただし、雪下ろし代の計算期間は暦年単位なので、1月1日から12月31日までの通年に支出した金額になります。初雪から雪解けまでの冬の1シーズン単位ではないのでご注意ください。

 サラリーマンの方は、年末調整で雑損控除の適用を受けることはできません。医療費控除や寄付金控除と同様に、確定申告が必要になります。なお、事業者が事業用に使っている建物の屋根の雪下ろしは、全額事業の経費になります。

 この雑損控除の規定は、屋根の雪下ろしだけでなく、災害・盗難・横領によって、資産について損害を受けた場合に適用があります。残念ながら詐欺や恐喝にあった場合には、適用はありません。損害だけ受けて損害に関連したお金の支出がない場合、一定の方法により計算した総所得金額等の10%を超えた部分の金額が雑損控除の金額となります。

 この場合の災害は、
①震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
②火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
③ネズミやシロアリなどの害獣・害虫による異常な災害
などをいいます。屋根の雪下ろしは①に該当します。

 雑損控除の適用は、損害を受けた資産が生活に通常必要な住宅、家具、衣類などの資産である場合に限られます。事業用の資産や別荘、書画、骨とう、貴金属等で1個又は1組の価額が30万円を超えるものなどは生活に通常必要な資産ではないので、適用はありません。確定申告を行う人だけでなく、その扶養親族の持つ資産が損害を受けた時にも適用があります。

 雑損控除の適用を受けるには、屋根の雪下ろしの支出を証明する領収書や、損害を受けた場合には損害を受けたことを証明する書類が必要になります。なお、雑損控除とは別に、その年の所得金額の合計額が1000万円以下の人が災害にあった場合は、災害減免法による所得税の減税があり、どちらか有利な方法を選べます。

 平成25年4月1日以降に開始する事業年度からは、従業員の給与を5%以上増やした場合に、一定の金額を法人税から差し引く税額控除を受けられる所得拡大促進税制が実施されています。平成25年度にこの税制の適用を受ける場合、次の3つの要件を満たす必要があります。

①平成25年度の給与等の支給総額が、平成24年度の
 給与等の支給総額と比べて5%以上増加していること
②平成25年度の給与等の支給総額が、平成24年度の
 給与等の支給総額を下回らないこと
③平成25年度の一人当たりの給与等の支給額が、
 平成24年度の一人当たりの給与等の支給額を
 下回らないこと(③は日雇い労働者を除いて計算)

 この場合、給与等の支給総額の増加分の10%が法人税額から差し引かれることになります。ただし、中小企業等の場合、差し引かれる金額は法人税額の20%までとなっています。

 例えば、従業員が5人で平成24年度の給与等の支給総額が1,200万円、平成25年度の給与等の支給総額が1,260万円の場合、①1,260万円-1,200万円=60万円≧1,200万円x5%=60万円②1,260万円≧1,200万円③1,260÷5人=252万≧1,200÷5人=240万で要件を満たし、60万円の10%の6万円が法人税額から差し引かれます。

 この場合の給与等は、法人の国内の使用人に対して支払われる俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与で、給与所得として認められるものが該当します。使用人にはパートや日雇い労働者、アルバイトは含まれますが、役員や役員の特殊関係者、使用人兼務役員は除かれます。

 なお、平成25年度で上記要件を満たせば、給与等の支給総額と一人当たりの給与等の支給額が前年度を下回らなければ、平成26・27年度でも税額控除の適用を受けられます。5%以上増加しているかどうかは、前年度ではなく平成24年度の給与等の支給総額に対して判定されます(①は平成24年度と、②③は前年度と比較)。

 ただし、雇用促進税制の適用を受ける場合は、所得拡大促進税制の適用は受けられません。雇用促進税制の適用を受けるには、事前届け出と事業主都合による離職者がいないことが必要ですが、所得拡大促進税制の適用を受けるには事前届け出は必要なく、事業主都合による離職者がいる場合も適用を受けられます。

 現在、5%以上増加の要件を2%以上に緩和、適用期間を2年間延長といったことも検討されています。

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