2013年09月

 現在、3万円以上の領収書は収入印紙を貼らなければなりませんが、平成26年4月1日以降に作成された領収書からは、収入印紙を貼らなければならないのは5万円以上となります。

 この場合の領収書は、正確には「金銭又は有価証券の受取書(17号文書)」で、領収書という名称に限らず、営業上の「受取書」「レシート」はもちろん、営業上の金銭又は有価証券の受領事実を証明するために作成された書類であれば該当します。

 来年4月1日以降は、3万円代・4万円代の領収書に間違って収入印紙を貼ってしまわないように注意しましょう。消費税率が8%になったら、5万円未満の領収書は印紙を貼らなくてもいいと覚えておきましょう。

 収入印紙を貼る必要がない文書に間違って貼ってしまった場合は、「収入印紙を間違って貼った文書」「印鑑」「代表者印(法人の方)」「還付を受けようとする金融機関の口座番号等」を持って税務署に行き、「印紙税過誤納確認申請書」に必要事項を記入して提出することで、後日振り込みで還付を受けることができます。

 なお、消費税額等が区分記載されている場合、または税込価格及び税抜価格が記載されている場合には、領収証等に記載された受取金額は税抜金額で判断することになります。

 したがって、現在「代金31,290円うち消費税額等1,490円」「代金31,290円 税抜金額29,800円」「代金29,800円 消費税額等1,490円 合計31,290円」のいずれかで記載されている場合は3万円未満の領収書となり、印紙不要になります。

 ただし、「代金31,290円(消費税額等5%を含む)」と記載した場合は、消費税額等が明確になっていないために税込金額で判断することになり、3万円以上の領収書となって印紙が必要になります。

 10月1日から、NISA口座の開設手続きが開始されます。来年からは、株式等の売却益や配当等に対して20.315%の税金がかかります。NISAとは、その株式等の売却益や配当等に税金がかからないようにする、という制度です。

 しかし、金額が無制限というわけではなく、株式等の購入金額が年間通じて100万円までと制限があります。期間も無制限ではなく、購入年から5年間以内に売却した場合のみ非課税となっています。その代わり、年間100万円の非課税枠が平成26年から平成35年までの10年間、毎年設定されます。

 非課税期間は5年間で終了ですが、終了時にそのまま翌年の非課税枠に移しかえて、さらに非課税期間を延長することもできます。「購入して5年以内に売却を10年分繰り返す」ことも、「5年経ったら移しかえて元本計500万を10年間非課税にする」こともできます。

■メリット
・非課税期間中の売却益が非課税になる
・非課税期間終了時の含み益が、その後の売却時に非課税になる

■デメリット
・非課税期間終了時の含み損が、その後の売却時に課税される
・損益通算不可、繰越控除不可

 NISAは、非課税期間終了時の時価が、投資元本の金額になります。したがって、50万で購入した株式が非課税期間終了時に60万になっていた場合、最初から60万で購入したことになります。その後70万円で売却しても、税金は70万-50万=20万ではなく、70万-60万=10万に対してかかります。

 逆に、50万で購入した株式が非課税期間終了時に40万になっていた場合、最初から40万で購入したことになります。その後70万円で売却した場合、税金は70万-40万=30万に対してかかります。

 また、NISAで売却損が出た場合は、他の口座の売却益と相殺する損益通算や、損失を翌年以降に繰り越す繰越控除の制度は使うことができません。

 そのほかの注意点として、次があります。
・開設できるのは1人1口座、1金融機関のみ。
・開設後4年間は金融機関を変更できない。
・使わなかった分の非課税枠を翌年に繰り越すことはできない。
・投資信託は対象になるが、債券やFX、信用取引、金などは対象外。
・運用期間中の途中売却は自由。売却分の非課税枠の再利用は不可。

 現時点のNISAは「儲かったときはさらに儲かり、損したときはさらに損をする」制度のようですが、将来的には、まだまだ変わりそうです。

 平成26年4月1日以後は新税率8%適用となりますが、同日以後も旧税率5%が適用できる経過措置には、前回ご紹介した請負工事以外にいくつか規定されています。

①旅客運賃や映画・音楽、競馬・競輪場、遊園地・動物園などの料金

 バス・電車・飛行機などの旅客運賃や映画・演劇・音楽・スポーツ、競馬・競輪場、美術館・動物園・遊園地などの入場料金は、サービスの提供が平成26年4月1日以後であっても、3月31日までに事業者が料金を領収している場合、旧税率5%が適用になります。

 定期券や回数券、年間フリーパス券などを3月31日までに購入した場合、4月1日以後にその回数券等で支払った運賃・料金は旧税率5%適用になります。

 なお、旧税率5%が適用になるものの範囲は「映画、演劇、演芸、音楽、スポーツ又は見せ物を不特定かつ多数の者に見せ、又は聴かせる場所への入場料金」となっています。

②定期購読書籍等の予約販売、通信販売

 書籍の定期購読等でその契約が平成25年9月30日までに行われ、かつ事業者が対価を平成26年3月31日までに受け取っている場合や、通信販売で条件の提示等が平成25年9月30日までに行われ、かつ申し込みが平成26年3月31日までに行われている場合は、資産の譲渡が平成26年4月1日以後であっても、旧税率5%が適用になります。

③建物など資産の貸付け

1) 平成25年9月30日までに契約が締結されていること
2) 平成26年4月1日の前から同日以後引き続きその契約に係る
  資産の貸付けを行っていること
3) 契約に係る資産の貸付の期間とその期間中の対価の額が
  定められていること
4) 対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと
5) 契約期間中に当事者がいつでも解約の申し入れをすることが
 できる旨の定めがないこと、その他一定の要件に該当していること

 1) 2) 3) のすべてと、4) または5) のどちらかの条件を満たす資産の貸し付けの場合、平成26年4月1日以後であっても、旧税率5%となります。
 実際の契約書では、対価の額の変更や中途解約についての規定がある場合がほとんどなので、経過措置の適用がある資産の貸し付けは多くないでしょう。この規定の適用を受ける場合は、貸す側が借りる側に通知しなければなりません。

 その他、電気料金等、新聞等、有料老人ホーム等にも経過措置が設けられています。

 原則は前回ご紹介した通りですが、新税率8%適用となる平成26年4月1日以後も旧税率5%が適用できる例外として、いくつかの経過措置が授けられています。

 物の引き渡しを要する請負は、目的物の全部を完成して引き渡した日が平成26年4月1日以後である場合は新税率8%となりますが、一定の「請負」に該当する場合で【平成25年9月30日まで】に契約していた場合は、旧税率5%が適用されます。

 経過措置の適用となる「請負」には工事や製造の請負のほか、「測量、地質調査、工事の施工に関する調査、企画、立案及び管理並びに設計、映画の製作、ソフトウェアの開発その他の請負に係る契約」が該当し、次の3つの要件を満たすものとなっています。

①仕事の完成に長期間を要するもの(具体的な期間は問われません)
②仕事の目的物の引き渡しが一括して行われるもの
③契約に係る仕事の内容につき相手方の注文が付されているもの

 この場合の契約は、契約書だけに限らず、口頭での合意や工事発注書なども含まれます。しかし、経過措置の適用があることを明確にするために何らかの書類等は必要になります。

 ただし、経過措置の対象となった場合でも、平成25年10月1日以後に当初の契約になかった追加工事の契約を行った場合は、その部分は新税率になります。当初の契約を変更して契約の対価の額が増額された場合も、その増額部分については新税率になります。この場合の新税率は、引き渡し日における税率が適用になります。

 建売住宅の場合は「注文」ではないので経過措置の対象外ですが、壁の色やドアの形状などその一部に注文が付された場合は、その全体が経過措置の対象となります。注文を付すことが可能になっている契約であれば、実際に注文を付されなかったとしても「標準仕様で注文した」ことになります。

 また、売上がこの経過措置の対象となる建物の請負工事の場合であっても、建物を建築するための原材料の仕入が平成26年4月1日以後である場合は、その仕入に適用されるのは新税率8%になりますのでご注意ください。

 なお、警備保障やメンテナンスなどの保守サービスは一般的に請負契約に該当しますが、「目的物の引き渡しが一括して行われるもの」に該当しないため、経過措置の適用はありません。

 消費税が予定通りに増税されるかどうか、注目されています。ここでは、予定通りに平成26年4月1日から消費税率8%となった場合に、事業者が注意すべき点についてご紹介します。

 原則として、資産の譲渡やサービスの提供に適用される消費税率は、次に定める日が平成26年3月31日までだと旧税率5%、平成26年4月1日以後だと新税率8%が適用になります。

・棚卸資産や固定資産の譲渡の場合…引き渡しのあった日
・サービスの提供の場合…提供した日
・請負
 ①物の引き渡しを要する場合…目的物の全部を完成して引き渡した日
 ②物の引き渡しを要しない場合…そのサービスの全部の提供の完了日
・延払基準や工事進行基準を採用している場合…基準に従った日

 請求日は関係なく、資産の譲渡又はサービスの提供が3月31日までに行われたものであれば、請求日が4月中であったとしても、旧税率5%が適用になります。

 予約や契約、前受金も関係なく、3月中に予約して「消費税率5%」と契約書を取り交わし、5%の消費税込み10,500円で前受金を預っていたとしても、資産の譲渡又はサービスの提供が4月であれば、新税率8%が適用となって10,500円x8/108=777円が消費税となります。

 仕入と売上の対応も関係がなく、3月中に5%の消費税込105円で仕入れた商品を4月中に200円(税抜)で販売する場合は、税込価格は新税率8%適用で216円となります。仕入時の旧税率5%適用で210円ではありません。

 消費税を据え置きにして、4月1日以後に100円の商品を旧税率5%で計算して税込価格105円で販売した場合であっても、新税率8%が適用となって105x8/108=7円が消費税となります。

 価格の表示は総額(税込)表示が原則ですが、平成25年10日1日からは税抜表示も可能になります。当然ですが、税抜価格であることを明示しなければなりません。

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